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2009年12月 5日 (土)

TAMA CINEMA FORUM

行ってきたよ、TAMA CINEMA FORUM。

僕が観たのは11月29日。まずモーニングで想田和弘監督『精神』、続いて「等身大で描く若者像」と題されたプログラムで竹馬靖具監督『今、僕は』、そして入江悠監督『SR サイタマノラッパー』の三本です。



まず1本目。想田監督といえば、前回の、日本のドブ板選挙のドキュメンタリーを描いた『選挙』が観察映画といわれて話題になった監督ですが、その手法をそのままに今回はある精神科診療所にカメラを向けたドキュメンタリー。今の日本じゃある種タブーな心を患っている人たちを被写体にしています。だから正直、観る前はけっこう重い映画で観た後かなり余韻を引きづりそうだなと思っていたんですが、意外にも観賞後はおもしろさの方が残る映画でした。いや、スクリーンに出てくるのはかなり重たい過去を背負っていてる人や社会とどう関わっていけばいいかと悩んでいる人などの話が出てきてそれ自体大変重たい悩みだったりするんだけど、でもね、それを観てネガティブな感情はまったくわかなかったんですよね。むしろ患者さん同士の会話で会場内笑いが起きることが多々ありました。これなんでだろうって考えたら、簡単な話で精神病であろうともその悩みの根本は僕たちとそれほど大差ないってこと。つまり彼らの悩みに共感できるんですよ。当たり前の話だけど、僕と彼らはまったく違う人間だっていうのではなくてじゃなくて、地続きで繋がっているってことがちゃんと認識できる映画でした。





2本目、『今、僕は』はい、きたー!!今回、僕が一番観たかった映画です。結論から言いますと、素晴らしい!!以上!



というだけってのもあれなんで。20歳のニートでひきこもりの悟が主人公のドキュメンタリー風映画。で、何がこの映画の特筆すべきことかってことは竹馬監督はこれを撮ったのが若干23歳で初監督作品。しかも独学で映画を学んだらしいのです。で、ちゃんと映画が撮れてる!「ちゃんと」っていうのは、映画的なシーン、カット割、見せ方が本当にうまい!プログラムの後のトークショーでも言っていたことですが、竹馬監督はダルデンヌ兄弟にすごく影響を受けているみたいで、それが出来ちゃってるー。長回しの見せかたとか本当うまい。


監督、脚本、主演、すべて竹馬監督がやっているのですが、これが演技もうまいんだよねー。もともと演劇はやっていたらしんだけど。


ひきこもりでニートでドキュメンタリー風と聞くと、今の時代のニート像を描く社会派な映画を想像しがちがちだけど、実はそこが狙いの映画でもないと思いました。監督自身も言っていたことだけど、そういった今のニートは、ひきこもりはってどうのっていうことを言いたくて撮った映画ではなくて、もしひきこもりなりニートなりの彼らが保護者を失ったらどうなっちゃうんだろう、ってところに興味があってそこが出発点になっていて、そこがすごく映画にも反映されてます。


一見、こういう題材だと地味な映画に思えるでしょ?ところがどっこい、これが画の見せ方、そして構成がいいから全然退屈でなくて、またドラマ的でもあり、そしてそれぞれのキャラクターがとても魅力的でぐいぐい引っ張られる。ほとんど主人公はしゃべらないし、まったくといっていいほど言葉での説明はないんだけど、それでもうまく撮るとちゃんと伝わるんだよねー。タマフルでも宇多丸さんが言ってたけど、ほんと堤幸彦とか本広克行に見せてやりたいね。お前ら毎回いくら使ってへんポコな映画ばかり撮ってんだよ。竹馬監督50万円だぞ、50万!でも日本でウケる映画は前者。トークショーでの入江悠監督の言葉を借りるなら


「今の日本映画界、みんな死ね!w」


おっしゃるとおり。このコメントに関しての詳しい話はまたのちのど。




そしてその入江監督の作品が『SR サイタマノラッパー』

埼玉や深谷出身のヒップホップ好きでニートの主人公が仲間たちともに、周囲からの冷たい視線を浴びながらもヒップホップを愛しラップに夢を託し進んでいく青春映画。

今はまったく思っていないけど、むしろ最近好きにすらなっているのだけど、以前はなぜ日本語でラップをするのか、なんであんないかつい格好しなきゃいけないのかなどに疑問があって、日本語でヒップホップは不自然!とほとんど聞かずして偏見を持っていました。アメリカの黒人文化発祥のヒップホップを日本人がやる理由、しかも日本語で。という、日本語ラップに疑問や抵抗、嫌悪感がある人たちほどこの映画ははまると思います。というのも、この映画にはちゃーんとそこの批判的な視線が描いているからです。


で、ありがなら、それでいてヒップホップへの愛、日本語ラップへの愛が注ぎ込まれている映画です。この映画、そのバランス感覚が絶妙。


ときおり紋切り型な会話のやりとりやリアクションがちょっと鼻につくところもあるんだけど、でもそんなの正直些細なことで、一つ一つ積み上げられていったものが、最後のシーンで爆発するカタルシスは最高!




以上で終了。この後に竹馬監督、入江監督、宮台真司氏のトークショー。これがまたおもしろかったので、この模様は別エントリで。















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