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2010年7月14日 (水)

ヒーローショー

路地裏の影や二つ隣の部屋、あるいは一両向こうの車両。そこに暴力がある。血の匂いがする。自分と背中合わせの場所で。普段、それは見えないし、まあ、暴力の匂いのするようなところは避けるし。けれど、俺の生活にないってだけで、世の中にないわけじゃない。確実にある。そういう世界と自分の世界は、地続きで繋がっているのだ。


というようなことを見て思いました。暴力が暴力を呼び、そしてそれがさらなる暴力を呼ぶというお話。物語自体はすごーくミニマムな世界から出る事なく進んでいくんだけど、それがあーこういうことって自分のそばで起こりえることだよなあ、ブルブルッと背中に寒気が走った。ヘタレな俺は角川シネマ新宿から駅までの帰り道、ちょっと怖かったですもん。


W主演のジャルジャルは(って変換したらJALJALってことえりさん……。いや、正しいけどね)好きな芸人さんなのですが(といってもテレビで見る程度であまり詳しくはないけど)、普段とはまったく違う雰囲気だしてて、すばらしい演技ですね。後半の後藤淳平演じる石川勇気が彼女に対して心情を吐露する場面とか完璧に引っ張られましたわ。


鬼丸兄弟。たまに暴力が大好きなやつ、というか自らそういうところに首突っ込んでいくやついるじゃん、学校に一人くらいさ。とりあえずもめ事と聞けば、自分が出ていく。解決する方向とは真逆に動く人間。常に拳が血で濡れているような人間。それが鬼丸兄弟。こわいっす。まじパネエっす。えげつない。でも彼らが登場すると、怖いもの見たさ、という好奇心てやつが俺の中でぐつぐつと出てきて、やだー興味あるーこいつら今度はなにすんだよ……と。




この映画、僕にとっては、DVD出たら買って1年に何度か見返したくなる映画でした。好き。



さて、いまだに大人気、飛ぶ鳥を落とす勢いの『告白』ですが、事前に観た人からけっこう引きずるよ、と聞いていたんだけど、全然そんなことなかった。これはおもしろくなかったとはもちろん別の話ですよ。こっちもかなりおもしろかったし。『ヒーローショー』の方がズドーンと引きずった、というかあとをひくおいしさでした。



『告白』はさ、先生があーいうことをしてしまう理由、それは理解はできるじゃん。実際に行動するかは別として。だから、みんなからかなり悲惨だから!みたいに聞いてたんだけど、見ててしょうがねえよなあ、こうなっても、とちょっと先生に同情している部分もあったりだったので、結末的にもけっこうすっきりしたもんでした。

一方、『ヒーローショー』は、誰も「あそこ」までエスカレートするとは思っていないのに、暴力の連鎖によってどんどん突き進み、でもじゃあそれをどこで止めればいいのか、どこまでいったら終われるのか、ということが誰もわかっていなくて、結果的に暴力はどこまでも暴走。けれど、こういうことは往々にしてあることだし。その怖さ。


この映画、前半部分と後半部分でえらい雰囲気もテンポも変わるんだけど、なにかこう不穏なトーンというのは最後までずっーと流れているから、前半部分の暴力のエスカレート、が一段落する後半も僕は好きです。


あ、あと最後エンディングでピンクレディーの「SOS」、これほどあの曲が不気味に聞こえたのは初めて。ちょっとこれからこの曲聞く度に心がざわざわしそう、それくらいはまってます。だいたいこの曲、けっこう怖いこと歌ってるわりに、妙に明るいんだよね。よくよく考えたら不気味なんだよな。それがばっちり映画のトーンと合ってます。曲が流れてきた瞬間、鳥肌たったもん。


やばい、書いててさらに好きになってきたぞ。





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