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2012年12月 1日 (土)

高知城の鳩博士(将来)は今

20歳の夏、18切符で高知に行った。高知だけでなく徳島を除く(ちょっとだけ入県はした)三県を鉄道でぐるっと回ったのだけど今日の話にその部分は関係ない。

高知城にいた鳩博士(将来)の話だ。


繁華街から少し離れた小高い丘のような上に天守は建てられていて(平山城というらしい)、天守閣の上まで上らずとも見晴らしがとてもよかった。天守に登ればさらに眺めもよかったのだろうけど金取られるとかで登らなかった。

城の足元の砂利なんかが敷いてある城内入り口付近では青空将棋をやっていて、市民に開放されている雰囲気があってなんかいいなと思った。だいたい城と将棋ってのがいいじゃないか。猫と縁側、キャバ嬢とチワワ、城と将棋。今すぐにでも雑誌のタイトルになりそうだ。ニット帽を被りマフラーに顔を埋めコンビニ前で友達を待つ女の子と雪、シチュエーションとしては好きだけど要素多すぎ。部屋とYシャツとタワシ(約 67,500 件  (0.23 秒)



そういえば池袋駅東口からほど近いところにある公園では、土日だけかわからないけど休みの日に行くと青空将棋をやってるところがあった。あった、というのは先日その公園の前を通ったら工事用のフェンスに囲まれて立ち入り禁止になっていたため。


ふと将棋を指したいと思ってもなかなか気軽に指せないというのがある。将棋教室に行くほどの意欲はない。となると青空将棋ってのは実にいいシステムだと思いきや、散歩がてらふらっと公園に寄ったら、お、将棋やってる。じゃあどれ一局……ともならない。青空将棋もまたえらくハードルが高い。

飛び込みや一見さんオーケーなのか、ずぶの素人でも文句言われないか、みんな盤を囲んで寡黙に人の対戦を見ているのみでどういうシステムになっているのかよくわからないのだ。入れてもらうにはその地域の青空将棋の元締めに一升瓶のひとつでも差し入れしないといけないのでは……と妄想させるくらいにはなかなかあの雰囲気は独特だ。大体若くてチャラチャラしてるやつがいない。みんな50オーバーのわりとダークな人生をバックボーンに背負っているような、あるいは吸いも甘いも知ったようなおっさんばかりだ。でも俺はその雰囲気込みで好きだったりしてよく見に行ってた。見てる分には何も言われない。あとその公園は猫が多いってのもいい。

あの盤は誰が用意しているのか、持ち回りで家から誰かが持って来て終わったら持って帰っているのか、トイレや茂みに隠しているのか、指してる人の中に公園をマイホームにしている系の人がいて普段はその人が管理しているのか。公園が入れなくなってしまった今、知るよしもない。 あそこにいた猫はどこ行ったのだろうとか。

高知城の青空将棋は子供が多かった。子供もおっさんも老人もいっしょくったにやっていて、その光景もまたすごくいいなと思った。しかも城を見上げる場所で指したらなんか凄く強くなれそうな気がしないか?


ちなみに俺は死ぬほど将棋は弱い。



閑話休題。


青空将棋の横を通り過ぎ、一息に攻め込まれないように設計されたと思われるあの城特有のぐるりと遠回りさせられながら(曲輪というらしい)急な上り坂を上がっていき天守のある場所まで登ると、そこで俺は鳩博士(将来)に出会った。


天守が立つ場所はベンチや売店なんかがある開けた場所になっていた。小学3年生くらいの真面目そうな少年は広場にいる鳩を熱心に観察していて、「ここの鳩は何時にどの方角から来て、そのあとどこかに帰っていくのか?」みたいなことを売店のおばさんに矢継ぎ早に質問していた。なんか色々突っ込んだ質問をしていたし、毎日観察に来てる風であってこれは将来の鳩博士だ、と勝手に思ったという記憶が強烈に残っている。それが鳩博士だ(将来)。

時期的に夏休みの自由研究だったのかもしれない。しかし課題であるとはいえその熱心さと探究心具合に応援したくなるものがあった。というのも俺があの少年くらいの歳の頃はもっと馬鹿だった。明らかに馬鹿だった。俺が彼と同じ歳の頃にやった調べものといえば、側溝から流れてきた水が一時溜まるみたいな場所があって、それはマンホールではないけれど同じような大きさの四角い蓋がしてあり、中央よりについている二つの取っ手を引き上げると開けることが可能なやつだったもんだから、近所を回って片っ端から開けて中の水位を測るという謎作業を頼まれてもいないのにやっていた。そして一緒に作業したY君と水位がどのくらいだったかを地図に落としこんで書き込んだ調査結果を先生に提出した。なんだ、それ。地図に書き込まれたポイントを結ぶと五芒星が浮かび上がりその中心に死体が埋まってる!! とか先生は思いついてしまい、もしかしてあの子たちが……と心配になって眠れなくなったりしなかっただろうか。 してたとしたら謝りたい。まあ忘れてるだろうな。忘れててほしい。

今思えば怒られなかったのは意外だな。それどころか褒められた。水面まで50センチ、さらに水深50~100センチは落ちたとしてもそれほど危なくはないが、大人が注意したいと思うくらいには十分危険であったと思う。そもそも開けちゃいけないもの勝手に開けてるし。先生は「そんなところによく気づいて調べたね」みたいなコメントをノートにくれた気がする。


その程度のことしかしていなかった俺からすれば、高知城の鳩博士(将来)の探究心はすごい。



そして、あれからちょうど10年だ。小3、当時10歳前後だった彼も20歳前後だろうにとっくの昔に(将来)の部分は消えてるかもしれないけど、いや99%消えているだろう。でも、俺は鳩の研究をするためにはどんな大学で何学部にいけばいいのか知らなすぎるけど、もしかしたら鳩大学鳩学部的な場所で日夜鳩の研究に精を出しているかもしれない。あるいはそんなことしてなくてユニクロでバイトしててヒートテック売りまくってるかもしれない。あるいははい! よろこんで!! るかもしれない。さすがに鳩サブレーってのはないと思うけど。



俺は一年に一度くらい思い出したときに「鳩、高知城」とか「鳩、高知城、生態」とかでぐぐったりしている。


https://www.google.co.jp/search?q=%E9%B3%A9%E3%80%81%E9%AB%98%E7%9F%A5%E5%9F%8E&ie=utf-8&oe=utf-8&aq=t&rls=org.mozilla:ja-JP-mac:official&hl=ja&client=firefox-a





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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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