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2013年9月 3日 (火)

グルスキー展に行ってきた。

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お昼ご飯を食べながらこれからの予定を考えた。次の予定がないっていうのはとても楽しいことで、なぜなら次の予定を自由に決められるからだ。


俺は誰かと遊びにでかけて時間ができたときの「これからどこいこっかー?」って展開がわりと好きだ。この人とこの後何をして時間を共有するか、将棋の一手、二手、三手先を読むみたいなちょっとの不安とわくわくと緊張が走る。そこで映画なんて話になってちょうど見たい映画がやっているなんて展開は最高じゃないか?

俺は映画を誰かと行くことがあまりなくて見たいと思ったらパパッと一人で行ってしまう人間だから、映画の帰り道によく今の映画あいつだったらなんて言うかな、あの人の感想が聞きたいなんてことがよくある。だから観終わったあとすぐに誰かの感想が聞けるってのはいいよなーと。そのまま酒でも飲みながら感想を言い合えたら最高。酒が飲みたくなる映画と飲む気にならない映画があるにせよ。


ちなみに俺は将棋の読みなんてできない。


とはいえ、映画じゃなくてもすばらしいことはたくさんある。そして今日は一人だから誰かの感想を聞ける訳じゃない。そもそも今日は映画って気分でもない。


そこで以前から気になっていたグルスキー展が思い浮かんだというわけ。


グルスキーについて俺はほぼ何も知らない。ただ写真展をやっているという情報が写真界隈にうとい俺の耳にも入ってくるくらいだから相当有名なんだろうし、ググッて出てきたグルスキーの写真の中に見たことのある写真がいくつかあって、それらが興味を惹かれるものだったから見に行きたいと思っていたのだ。


今は14時半で国立新美術館で18時までやっているみたいだから、久々に神田で雪山ギアでも軽く見てから行くかと、JRをくぐり神田川を越えたところで上島珈琲を発見。コーヒーを飲みたい気分だしちょっと休憩もしたい。店内の雰囲気もよさそうなので入る。

店内の雰囲気も落ち着いていていいし、なによりアイス黒糖ミルクコーヒーうまい! 近所にあったら通うのにというレベル(で調べたらけっこう都内にはあるのね)。
持っていた文庫本読んだり音楽聴いたらちょっとうとうとしてたら16時前になってる。こりゃ神田は無理だなとそのまま六本木にいくことに。



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「父さん、妖気を感じます!」残念ながら俺は父さんではないし、その手の感がまったくないのだ。すまん。。


新御茶ノ水駅まで歩いて千代田線で初めて降りた乃木坂駅。直通の改札があるのな。


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ロゴデザイン、佐藤可士和氏だっけ?


最初にも書いたように俺はグルスキーをよく知らない。って何度も言うようなことじゃないな。ウィキペディアを読み、ネットで有名な作品をさらっと見た程度の俺が小一時間も見ていると「ああ、グルスキーっぽい。まさにグルスキー。グルスキーしかありえない」とか感じ始めたのは面白かった。これが強烈な作家性ってやつなのか?


大きな作品になると幅が3.4メートルそれ以上(F1のピットストップのやつは5メートルくらいあったと思う)あるものもある。にもかかわらず凄まじい解像度、っていうのかな、隅々までバッキバキにピントが合ってる。正面に立ち眺めているとくらくらめまいのような感覚を覚える。そんな光景見たことないからかな? 人間の目は何かを注目しようと見ているとき、必ずどこかに焦点があってそれ以外はボケているけれど、グルスキーの写真はそのボケがない。ボケを許さない。だから、被写体自体はどこかで見たことある風景であるにもかかわらず、俺はこんな世界知らないと思ってしまうのだ。

大きなサイズの作品になると、俺の節穴の目は写真のすべての部分にピントを合わせて俯瞰して見ることなんてできない。節穴じゃなくても、だ。写真のある一部分に焦点を合わせて見るしかなくて、でも目の前にある写真はすべてにピントがあっているから俺もそのすべてにピントが合った状態で見たくて写真から距離を取ったり焦点をあまり合わせずに全体を眺めて見たりする。しかしやっぱり写真のように全体をバキっとピントが合わさったようには写真を見ることができない。俺の目は普通の人間の目であり節穴だからだ。


写真に写っているようにはその写真を見ることができないもどかしさを感じるっていうのかな。あんまうまく説明できてるようにも思えないんだけど、そういう自分の目の不自由さを体験したのだ。多分、これがくらくらした原因。


バンコクとタイトルをつけられたシリーズがあった。どれも全体が濃淡のある黒色で塗られそこに光の筋のようなものが上から下まで貫いていてところどころに落書きみたいイラストや文字が書かれているまるで抽象画のような作品だ。なんなんだ、これは。バンコクってなんだ? そもそも写真なのか? 写真だとしてもかなり加工して抽象画っぽく見せているのかなあーとしばらく眺めていたんだけどふと気づいた。これ、水面じゃん! 多分、川。で、入り口でもらった紙を見るとこの作品のざっくりした解説が書いてある。タイトルからして「多分チャオプラヤ川を撮った写真なのでしょう」とかある(うろ覚えだけど)。この書き方、グルスキー本人は何か言ったり書いたりしてないのか。で、そう見ると意味不明だったいろいろが、濃淡があるのは波によって出来た影の部分だし、光の筋は水面が反射する光だし、落書きやイラストみたいなものは川に浮かぶゴミだってことがわかる。騙し絵みたいでおもしろい体験。


あ、入口のところで500円か1000円かで音声ガイドも借りれるところあったから、それ聞いてたらこんな勘違いせずに済むかもな。でもまあ、なんだろー? って考えながら見るのも悪くないと思うぜ。



美術館を出て雰囲気良さげでふらっと入りたくなるような居酒屋が並ぶ路地を歩き、今ここに書いてきたようなことを考えながら駅に向かった。


そういや、帰り際LOVE展のポスター見つけてこっちも行きたかったんだとそこで思い出したけど、もう終わっちゃったな。ライゾマティクスの出し物見ときたかったなー。


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